日本人は、戦争が嫌いなのだ

私は戦争は反対だ。原発も反対だ。
過去の失敗のダメージがあまりにも深い。
リスクは許容しコントロールすべきだと私は常日頃考えているが、この二件に関してはリスクコントロールという概念からすると、選択肢から外すべきだと考える。なぜなら、決定者・管理者とリスクを受ける者が必ずしも一致しないので、正しい判断がされない可能性が高いからだ。

前線の司令官は、勝てないとわかっている戦いなら止めるだろう。しかし、後衛の司令官は全軍の指揮や風評を気にするので降参は許さない。

原発の管理者や設置された地域の住民は命に関わる危険性があるなら他の方法を取るべきだと考えている。しかし、設置や撤退の決定権を持った人は遠く離れたビルの中にいる。彼らにとっては経済性と株主への利益配当が関心の種である。自分の在任期間に設置した施設で問題が生じた場合、もらった役員報酬は全て返金するルールがあったなら、それでも実施するだろうか。

こういう不公平な現実(ゲーム理論的にはゲームとも言える)は参加すべきではない。それが私の見解である。

さて、それはさておき本題。

日本という国は本当に戦争が嫌いらしい。

というのは、今年は例年と比べて圧倒的に8月15日付近の議論の質が高かった。安倍首相の靖国参拝がどのように問題なのか、右傾化や沖縄における基地問題、韓国における日本企業への賠償命令、台湾や中国、韓国との領土問題など、様々な面で不穏な材料があるからだろう。しかしながら、政府の目指す方向性に対する既存メディアや個人メディアの反対論は非常にレベルが高かった。

たとえば、オリバー・ストーンの来日と各地での講演は「一介の映画監督」の話というよりも、米国内での歴史教育のあり方への疑問を喚起させ、同様に日本国内における歴史認識のあり方にも一石を投じるものとなった。国の公人でもない一アーティストがこれほどメディアに取り上げられたのは異例である。そして、彼に同調するように色んなメディアが戦争と平和に関する自説を展開した。

そして、高知新聞が特集したA級戦犯と呼ばれた人々の発言は、その思想が今にも繋がるのではないかと警鐘を鳴らしている。沖縄の琉球新報でも大きく特集されていたようだが、なぜかテキストの書かれた記事が検索で出てこない。とりあえず記事の画像を載せておく。機会を見て、全文をテキスト起こししてみよう。

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とりあえず、一部テキストを掲載。

<「敗戦 我々の責任でない」 A級戦犯 ラジオで語る 関東で放送 57年前の音源確認>

「旧日本陸軍の荒木貞夫大将ら4人のA級戦犯(いずれも故人)が自らの戦争責任などについて語ったラジオ番組の音源が、このほど見つかった。番組の中で4人は『敗戦はわれわれの責任ではない』『戦争中にあったことをいつまでもグズグズ言うのは間違いだ』などと述べている。番組のプロデューサーだった水野繁さん(92)=奈良市=は高知新聞の取材に『憲法改正を望むなど4人の姿勢は、今の安倍(晋三)内閣に相通じる点がある。国民の置かれていた状況が戦前と同じになっていないか、危惧している』と語った」

また、歴史読本 2013年 08月号の満州問題を取り扱った記事は非常に興味深い。満州国の立国や運営に関する問題と今に残る満州人の問題は現在の日本における沖縄などの問題と酷似するとしている。国家の政策のために犠牲になった地域、日本史の中から忘れられた現地の歴史と今も残り続けるその問題。私たちに対する鋭い問題提起だと思う。恥ずかしながら私も満州国については知識がほとんど無かったため、そのような歴史があったのかと驚くばかりだった。政治的なパワーバランスや当時の風潮の中で様々な決定がなされていったが、しかしながら戦争や占領政策に踏み込んだ背景にはやはり権力者の思想の問題が大きく、それによる影響が後々まで続いている点は考えさせられるところが大きい。

こうした様々なメディアが多様に現在の日本の状況を憂いている。やっぱり、日本人は戦争が嫌いなのだ。

軍国化に走ることがないように監視することは、戦争に反対する国民の義務であろう。興味がないと傍観するのは、権力者の前では肯定・賛成と同じであるということを有権者には是非わかってもらって、YES/NOを示すようにしてほしいと願う。

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