2013年8月13日 高知新聞記事より② 「A級戦犯の言葉 今に影」

A級戦犯の言葉 今に影

ラジオ番組「マイクの広場 A級戦犯」はナレーションを挟みながら、約30分間続く。A級戦犯の言い分はどんな内容だったのか。それに疑義を唱えた人たちは何を語っていたのか。音声の一部を掲載する。(発言趣旨を変えない範囲で、語尾など一部表現の修正や省略をほどこしている箇所があります)

けしからんというのは筋違いだ

戦争責任

■橋本欣五郎氏(陸軍大佐、大政翼賛会常任総務)
「戦争をやるべく大いに宣伝をしたということは事実ですよ。そうして、これが負けたということは誠に、僕は国民に相済まんと思っておるですよ。そりゃ、はっきりしとりますよ。けれども、外国に向かって相済まないとは、一つも思っておらない」

■賀屋興宣(おきのり)氏(開戦時の大蔵大臣)
「敗戦は誰の責任か?われわれの責任じゃない。それをだな、われわれに(対し)けしからんと言って憤慨するのは少し筋違いじゃないか。お前、自分の責任が大いにその原因しているぞ」
「あらゆる責任は、いわゆる軍閥が主です。財閥や官僚というものは、戦争を起こすことについては、非常に力が薄いです。むしろ反対の者が相当にあった。主たるところは軍人の一部です」

■鈴木貞一氏(陸軍中将、戦時中は内閣顧問)
「戦争責任を考える上については、やっぱり国民のね、政治的な、その何と言うか、責任と言うかね。もし、国民が戦争を本当に欲しないというそれが、政治の上に強く反映しておれば、そうできないわけなんだ。だから、僕は政治家の力が足りないと、足りなかったと。もしも、戦争が誤りであるとすればだよ、その誤りを直すだけの政治の力が足りなかったと」
「政治の力が足りないということは、何かと言うと、国民の政治力が、すなわち政治家は一人で立っているんじゃないわけだからね。国民の基盤の上に立っているんだから。今日の言葉で言うならば、世論というものがだね、本当に、はっきりしていないことから起こっていると思うんだな」
「当時の堂々たる政治家が、極端に言うなら、軍に頭を下げるようなことをやっておった。そういうことでは、軍人を責めることが、むしろ僕は無理だと思うんだ」

イチかバチか戦争するのが普通の人

敗戦か終戦か

■荒木貞夫氏(陸軍大将)
「(米軍が戦争に)勝ったと僕は言わせないです。まだやって勝つか、負けるか、わからんですよ。あの時に(米軍が日本本土に)上陸してごらんなさい・・・彼らは(日本上陸作戦の)計画を発表しているもんね。九州、とにかくやったならば、血は流したかもしれんけど、惨たんたる光景を、敵軍が私は受けたと思いますね。そういうことでもって、終戦になったんでしょう」
「だから、敗戦とは言ってないよ。終戦と言っとる。それを文士やら何やらがやせ我慢をして終戦なんと言わんで、『敗戦じゃないか』『負けたんじゃないか』と言っとる。そりゃ戦を知らない者の言ですよ。簡単な言葉で言やあ、負けたと思うときに初めて負ける。負けたと思わなけりゃ、負けるもんじゃないということを歴戦の士は教えているものね」
「(対米開戦をしなければ)ジリ貧と言った東条(英機)君の言葉も、必ずしも一人を責めることはできんじゃないかと。どうせしなびてしまうようにさせられるなら、目の黒いうちにイチかバチか(戦争を)しようというのは、普通の人の頭じゃないかと、こう、私は言いたいのです」
「戦争中にあったことは、いつまでもグズグズ言うのは、これは間違いだ」
「逆コース(1950年代前半の日本の再軍備を指す)なら逆コースでよろしい、と。いま端的に言うなら、憲法問題。(改正反対などと)グズグズ何か言うなら(明治政府の)五箇条のご誓文でいいじゃないかと」

自らが自らを縛っている格好に

言論の自由

■鈴木貞一氏
(国民に対する言論弾圧について問われ)「治安維持法も総動員法も議会でやるんだな。議会でやるんだから、その政治力が『そういうもんはいかん』ということであればだね、(戦時関連の立法は)できないわけなんだな。そういうものを作ったということは、自分(政治家)がそれを承認してた、そういうものい服するということにしたんだから、自らが自らを縛っている格好になっているんだよ」

いつまでも責めるべきじゃない

戦犯の余生

■清瀬一郎氏(東京裁判の特別弁護人)
「過去における失敗をいつまでも責めるべきじゃない、と思っております。(山口県の)下関へ速く行く汽車は、ひっくり返したら、青森へ速く行けるんですから。あれだけ力を持っている人(A級戦犯)がいっぺん戦犯になったからと言って、ぐにゃーとしてしまわないで、新たな方向へ残念を、残っておる生涯をお使いになることは、私は賛成しておるんです」

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