天皇は日本国民にとってアイドルだという話

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目下、最近の関心ごとは日本人の不思議な指導者観だ。

とある某有名作家がメディアの公式的なインタビューで、「嫌いなもの」に「トランプ大統領の髪型」と言い切ったりしたかと思えば、証券会社などで公式的に流れている情報源でも北朝鮮の指導者を「カリアゲ君」と言い、カリアゲ君リスクが云々というのが当たり前に使われている。

日本人は指導者が嫌い、もしくは指導者に対し失礼な国なのだ。
しかし、一方で天皇や皇家に対する敬意はゆるぎない。

少なくとも、日本において天皇の髪型が話題になった(イジられた)ことはないと記憶する。

他国の女性首脳たちのスカートや足に注目することがあっても、天皇や皇后の体型などには触れることもなかったはずだ。下世話な写真週刊誌がご子女を取り上げても、皇家の女性たちに対してそういったことはほとんど行われない。

そういったことを考えても、やはり日本人にとっての天皇は「特別」なのだ。
選挙で民主的に選ばれる「主権者」とはどこか一線を画している存在なのだろう。

天皇は神ではないことを、今や多くの日本人は承諾している。

しかし、天皇は人権を同じくした人間とも思えていないところが不思議だ。

こういったパワーが、歴史から来るのか、権力から来るのか、実力から来るのか、信仰心のようなものから来るのか、いまだによくわからないのである。

ただ、高度な教育を受け、一般人にはできない多くの経験をし、徳を身に着けた人物たちであることは間違いなく、そこから滲み出るものに実際に会って接した人は心を打たれるのであろうとは思う。

こういったことは多くの宗教指導者などにも見られる特徴だが、バックボーンがしっかりしているほどその効果も大きいようだ。

そう考えると、日本にはやはり天皇崇拝に近い何かが眠っていることになる。
それが儀式化され、常態化し、方向性を持って導くなら宗教となるが、天皇がそうしたものを放棄している現在、天皇は偶像でありアイドルなのであろう。

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