WOLF RPGエディターではじめるゲーム制作―「イベントコマンド」と「データベース」で、ゲームシステムを自由に作る! (I・O BOOKS)
工学社
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過去にできなかったことができることを「成長」と言う。
それで言えば私は成長した。
そう言えるのは、「巡り巡る。」がクリアできたからである。
思えば5年くらい前にプレイして、ある程度進んだが、何度も同じような出来事が繰り返されることに飽きたというか、進め方がわからなくなり、敵のエレメントレベルの上昇に味方の成長がついていかず、やる気を完全に無くしてしまった。
今回は70時間以上巡り廻った結果、気力も萎えることなく、最後までプレイすることができた。さすがに裏ダンジョンの攻略まではできないが、それでも十分に頑張った。
このゲームは仲間と共に世界を巡りながら、自由に旅をすることができるゲームだ。その中で一応メインストーリーはあるものの、関係なく過ごしていても問題は解決してしまう。そのため、様々な楽しみ方ができるゲームとなっている。
遊び心のある様々な要素が多く、長時間プレイしても退屈することが無い。ある人に言わせれば「人生ドレイン系のゲーム」だそうだ。私も丸三日分の人生を吸われた。しかし、後悔はない。それだけ楽しんだと思うからだ。
お金を稼ぎ、レベルを上げ、装備品を買い、作り、ダンジョンに潜る。時には賞金首をやっつけ、釣りをし、料理を作り、魔物を育て、ペットを飼う。仲間たちと様々に雑談を楽しむ。王国を作り、自由にマッピングもできる。
やれることが非常に多く、そのひとつひとつがちゃんとレベリングされていく細かい配慮が感じられ、遊び心を刺激してくれる。elonaに近い、自由気ままなプレイができるのが特徴だ。
小難しいシステムはゲームクリアに必要な要素くらいのもので、後はやりながら覚えていくことだろう。最初はとっつきにくいが、次第にはまってくる。
私の適当に作った主人公ははっきり言って弱かったのだが、頼れる仲間が多くを補ってくれた。最終的に戦闘ではエースとなったナポリ、そして爆発的な魔力で敵を粉砕してくれたハル、弱いのになぜか死なないウルートが特に活躍してくれたと感じる。光の巫女はオールアップの他は何の役にも立たなかった(笑)。
「巡り廻る。」のタイトルの意味が分かる頃には、このゲームのクリアの条件もわかるだろう。攻略動画もwikiも充実しており、研究されつくしたゲームであることは間違いないのだが、実際に攻略しようとすると結構骨が折れる。
wikiには廃人にしか届かない域の様々な情報も載っている。攻撃力が24万もプラスされる斧って何なんだと思った。
名作ではあるものの、楽しみ方が多すぎて、また本編のストーリーの存在感が無さ過ぎて、解説に困るゲーム。wikipediaに記載があるというのは、フリーゲームとしてはかなり異色であり、かつ名誉なことではないだろうか。
玄人向けなゲームだとは思うが、多くの人が「巡り廻る。」の世界を楽しんでもらえたらと思う。