「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」の考察メモ

こういう動画があることをご存知だろうか?

この動画で何が行なわれているのか、プレゼンテーションという観点から観察してみた。話者が既に話している部分も多いが、スピーチやプレゼンテーションの方法として非常に興味深いので、要素を抽出しておくと私だけでなく、誰かの何かの助けになるかもしれない。

プレゼンの流れと表現技法

①同じ表現を何度も表現を変えて繰り返す。

正確な表現を探しているようで、何となく知的な感じ。哲学的な感じを与える。実際に意味があるかはあまり問わないのかもしれない。

ex:「何もない」「皆無」「ゼロ」「からっぽ」

②はじめの部分で何か訴えたいような不満感のあるような身振り手振りをする。

訴えたいことがあることをアピールし、話者に注目させる効果がある。

ex:うろうろしながら客席に腕を出す。メガネをしきりにいじる。

③話に関連する質問をして手をあげさせる

これは聴衆を引き込むために効果的。

④質問への反応として個人的なエピソードを話す

聴衆との応酬によって親近感を出す&個人のエピソードを開示することで親近感と真実味を作り出す。

「緊張をほぐすような」「少しかわいいと思わせるような」「ちょっと恥ずかしいこと」ができると良い。

⑤一般化する

本筋に話を戻し、ここから言いたいことが明確化していく。この時点で聴衆とのコミュニケートが完了しており、自分の論点に集中することができるようになっている。

⑥別の人物を取り上げる

自分だけの主張ではないことを印象付ける。権威ある人、有名人が使えると好ましい。

⑦キーワードを投げかける

この動画の場合は「意味のないプレゼンである」ということ。プレゼンの目的について、誰もが聞けばがっかりするだろうキーワードを持ってきている。

例:「時間」「稼ぎ」

⑧データ(数字)を見せる

数字は説得力がある。それをテーマに合わせて拡大したり縮小したりする。また、同じものを違う角度から言うと分析しているような気持ちになる。また、連続性を示すことができるのも数字の強みである。データは根拠なので、ぱっと見て意味がわかるようならたくさん出すと効果的。

例:「2×6=12。大変興味深いことに、6×2も12です。」

⑨グラフを見せる

数字を可視化することでわかりやすく印象づける効果。それについて本当にすごいことだと強調する。

⑩言葉と意味のありそうなイメージを組み合わせる

主張を強化し、印象づける効果。

⑪テーマに関連するリズムの良い単語を繰り返す

クライマックスに向けて疾走感を出す感じ。話のテンポアップができれば基本的には良いのだと思われる。

⑫満足行く結論を出すかのような身振り

例:しきりに行ったり来たり、めがねを外す、

⑬結論に入る前にペースを落とす

動画内でも言っているように、雰囲気を変える。

⑭ドラマティックに聞こえるように盛り上げる

例:「もしそうだったらどうします!?」

⑮それらしい人生訓を交えて締めくくる

例:「まったく、人生山あり谷ありです」

⑯余韻を残す

話が一貫していたことを強調し、テーマを明確化させる。そして聴衆にも考えさせることで印象を強化し、後の時間に繋げていく。

例:「私が最初に言ったことを思い出してください」「そして今聞いていることを考えてほしいんです」

 

プレゼン内で頻繁に使われている技術

  • 自信のある表情をする
  • 呼びかけの多用→例:「皆さん!」
  • 逆説的な言葉の使用→:例「信じられないというなら」「人生を変えるヒントさえ与えているかのように見せながら」
  • 注意点の明示→例:「この0.5に注意してください」
  • リズムの良い言葉の積み重ね
  • 臨場感を出すフレーズ→例:「これは今まさに起きていることです」「驚きです!」
  • 適度な間隔で主張を繰り返す

こうしたことが良く考えられていてプレゼン用の原稿が作られている。さすがはプレゼン大国アメリカだと感心してしまう。米国大統領の公的な場での発言は専門のライターが書いているというが、こういう専門職が日本には無いしそれを活かせるプレゼンテーターも多くはないだろう。

場によっては使えないテクニックもあるが、こういう練習をしておくと話上手になるのだろうと感じた。言語を越えた面白さがこのプレゼンには感じられる。

 

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