笑顔の中で生まれ、涙の中で死ぬ。それがいい人生。

ひさしぶりに映画を見た。近くの小劇場でである。

先日通りがかった際にポスターが気になって、それで足を運ぶようになった。

その映画のタイトルが「おみおくりの作法」。原題は「Still Life」。フルスイングで意訳されている。英国の映画で、英語がけっこうイギリスなまりなので学校教育で米国英語を聞きなれていると所々言葉に違和感があった。

一応、公式サイトと予告編を以下に紹介しておく。

【おみおくりの作法(公式サイト)】

最近、生と死について考えることが多いのだが、人は笑顔の中で生まれ涙の中で死ぬ時にいい人生だったと振り返ると言う。確かに、生まれてきたことを喜ばれるべきだし、死ぬことを惜しまれる人生は良い人生なのだろう。少なくとも、イジメの嘲笑の中で命を失うことになった青少年たちが幸せな人生だとは絶対に思えない。川崎市の事件は本当にむごたらしい事件であった。

映画のストーリーを追えば、役所で働く主人公のジョン・メイは身寄りのない死者の葬儀をすることが仕事である。遺品の中から関係者を割り出し、葬儀の案内をし、生前の様子を取材し、その生に見合った弔辞を考え、BGMを考え、墓石や墓の位置に至るまで丁寧に考える。ジョン・メイはまるでロボットのように、自身はルーチンの生活をひたすら守る堅物だ。そんな真面目な彼が真面目に死者に向きあっている姿がこの映画の最大のメッセージだ。

そして、映画の後半で明らかになるのは、そのように仕事をする彼こそがまさに身寄りのいない人であるという事実だ。そんな彼を労わり慰めるのは誰なのだろうか。おそらく、映画を見た観客たちではないだろうか。

人は生きて、何を残すだろうか。

豚は肉を残すし、象は牙を残す。草木は花を残し実を残す。

人間は生きて死ぬまでに何を残すべきか。それがその人の生きた証だから、良い人生を考えるなら必ず考えるべきである。

エンディングノートというものが盛り上がったが、死んだ時のことを考えるよりも、死ぬときにどういう状態でありたいかを考え、そのためによりよく生きることがより大事じゃないだろうかと思いはする。その上でエンディングノートが必要な時もあるだろう。

私はおそらく、家族の笑顔の中で生まれてきた。

私が死んだ時、泣いてくれる人がどれくらいいるだろうか。そう思うと、もっと自分の枠を超えて頑張らないといけない。

そう色々と考える機会となった。

「おみおくりの作法」というタイトルは映画のもつメッセージが変わってしまいそうでちょっと納得いかない。でも、いい邦訳も浮かばない。いい映画だったと思うだけに、もっと気の利いたタイトルはないものだろうかと思うのだった。

 

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