良くも悪くも見本作のフリーRPG「ラ・カンパネラ ~遠い日の歌声~」

PCの不調にも負けず、一週間の時間の多くを投資してプレイしたフリーRPG「ラ・カンパネラ ~遠い日の歌声~」が良くも悪くも考えさせられる作品だったので紹介することにしたい。

【ラ・カンパネラ ~遠い日の歌声~ (作者サイト)】

ラ・カンパネラ

このゲームは二人の主人公のどちらを選ぶかでストーリーが変わってくる。大筋は一緒だが、視点とその中で通過する物語が変わってくる。

ラ・カンパネラ2

 

このゲームのシナリオや演出は非常によくできていて、小さなシナリオのひとつひとつが非常に緊迫感があってよい。RPGにありがちな「おつかい」がほとんどなく、どんどんストーリーにのめりこめるようになっている。

戦闘はシンプルな設計だが、ツクールVXであるにもかかわらずサクサク動作するので、戦闘はあまり苦にならない。しかし、何人か強敵がちゃんといるのである。時々ボス戦が連戦になったりして、なかなか楽はさせてもらえない。私がハードモードで初回プレイしてしまったから大変だったのだと思うが、目安時間として紹介されている15時間程度ではなかなかクリアは難しいのではないかと思う。

ラ・カンパネラ3

この作品、正直な感想を言うと大人向けであって、子供には難しい。

話が難しいし、フラグが不親切だし、装備品や合成に必要なお金が全然貯まらないので否が応にも各種のトレードオフを強いられる。

でも、息をつかせぬストーリー展開と、これでラストだと思っても、次がどんどん出てくる展開は非常に面白い。アイテムを取りきった後のラストダンジョンやボス戦は正直息切れの感があって勿体なかった。ラスボスはもっと凶悪でも良かったのに。

ちなみに、私のクリアレベルは主人公エリーゼが53。

campanella

 

ゲツセマネの空中庭園で、分岐ルートが両方できると思ってバランスよくメンバーを選んだら個人戦があって詰みかけた。アンリ、桜花、仲間がいれば強いのだけど・・・。まあ、セリティアよりはマシだったのかもしれない。

この作品は良い点としては重厚感のあるストーリーの構成と、充実した(レベル上げが要らない)やりこみ要素、そして快適な戦闘シーンと、非常にていねいな作りこみが成されている。そして、主要キャラクターはボイスつきというフリーでここまでやるかというレベルの内容が実装されている。

逆に悪い点として、自由なようで自由でない地域間移動や、ワールドマップが無いために国や街の位置関係がつかみづらいところがあげられる。また、アイテムや装備品の特殊効果が非常にわかりにくい。そしてイベントの情報やフラグが不明瞭な上に、主人公が違えば見ることができないものまで同じく情報が提供されるのでプレイヤーが混乱する。砂漠の盗賊団にいたっては、アジトがあるらしいという情報を元に探しにいくのに、アジトはまったく登場しない。

良くも悪くも、作者の視点によって作りこまれ、プレイヤーがおいていかれるような状況になることがしばしばである。それがゲーム製作で陥りやすい問題であり、そしてテストプレイヤーの確保が難しい非商業ソフトの難しいところである。

しかし、これだけの内容を作りこめるなら、もしプロが関わってリメイクできるならかなり上質なRPGが作れるんじゃないだろうか。そういう気まぐれプロフェッショナルが、こういう宝の素材をぜひ生き返らせてもっと脚光を浴びせてほしいものである。

ハイレベルな作品だと思うのだが、あまりレビューサイトなどでは評価されていない。これは広告上の問題や、公開時のゲームバランスなどの問題があったのだろう。私は最近ダウンロードしてプレイしているから、そこまで嫌になるほどの苦労は無かったのだが、ベータ版のうちからプレイしているプレイヤーからすると応援しにくかったのかもしれない。

フリーソフトという世界において、良作が埋もれてしまう原因はいろいろあるのだなぁと考えるしかないのだった。

基本的に趣味でフリーゲームを楽しんでいるわけだが、こういう隠れた名作の掘り起こしに、少しでもお役に立てれば幸いである。

作者サイトに攻略チャートも載っていたので、詰まった人は参考にすべし。

【ラ・カンパネラ ~遠い日の歌声~ 簡易攻略サイト(公式)】

 

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