マニア受けしそうな、大人のRPG「ワールドピース&ピース」

さて、今日は久しぶりのフリーゲーム紹介。なぜ久しぶりになったかというと、予想以上の大作でクリアに60時間超を要してしまったからだ。

その作品の名は「ワールドピース&ピース」。ツクール2000VALUEでよくぞここまで作りこんだなという超大作である。マニア受けしそうな難易度と内容の大人のRPGである。

【ワールドピース&ピース(公式)】

ワールドピース&ピース

 

物語のあらすじとしては、魔女と人間が対立する世界の中で魔女が人間側に攻撃をしかけるようになり、主人公の魔女トレスはその背景とは別に、人間の親友を殺した犯人を追いかけるが、次第に大きな運命の渦に巻き込まれるのだった、みたいな感じだろうか。

このゲームの評価をすると、ゲームとしてはAランク、読み物としてはBランク、哲学思想としてはCランクである。どうしてこのように表現するかと言うと、ゲームと読み物、哲学・思想表現としての三つの顔があるように感じるからである。

ゲーム面で言えば、非常に面白い。ストーリーもよく作りこまれている。中盤~終盤にかけて、誰が最後の敵になるか全く見えないあたりが良くできている。そして、ひたすら絶望感と、純文学を読んでいるようなある種の不愉快さがずっと続くのだが、それでもプレイし続けることができるのはキャラクターが立っているからだ。特に女神キキは類稀なる女神らしい女神で、ホウキと並んで一番心に響くキャラである。

絵のタッチが全体的にやわらかくて好きだが、ブルハリスタ様は途中から壊れる。そんなブルハリスタ様、けっこう好きです。

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ゲームも中心になるプログレッシブバトルの他、シミュレーションバトルやアクションバトルという違う種類の戦闘モードもあり、三種類のゲームをプレイした気分になれる。逆に言えば、RPGらしいターン制バトル、SRPG、ARPGの三種類がある程度できなければならないので難易度が高い。ver1.00でプレイしたが、ARPGパートはかなり苦戦した。ノーヒントはつらい。頑張れセイス。

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そして、読み物としての面があるのだが、章立てでストーリーが進行するが、ゲームなしで文章を読むだけで終わる章もある。それがノベルゲームのような雰囲気を作っているのだが、そのテキスト量が少し多すぎるのが難点である。また、繰り返しの描写も多く、だんだん読み疲れてくるのが残念である。

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そして、哲学・思想表現としてのパートが、多くのキャラクターの生き様・背景を語りつくされ、その上でそれぞれ思想表現をしてくるので理解と対比が大変である。そして、その思想や心理学の表現がなぜかゲーム世界とは関係なさそうな現代の哲学用語や心理学用語で表現されるので、そこに違和感を持たざるを得ない。また、負の哲学に対して正の方向から哲学的に論破するには至らず、最後は感情的に善の側に傾いていったように感じる。負の側には理屈があるのに、正の側には理屈が無い。この辺が最近のどんな物語においても問題である。正義に善に正当な理由がない。いや、わからなくなっている混迷した時代の様相なのかもしれない。

「ワールドピース&ピース」。個人的にはあまり好きな語感ではないのだが、作品のメッセージはここに集約されている。ただ、少し難解であり、登場人物たちがセリフに無理矢理その単語を押し込んでいるように感じる部分があって少し気持ち悪い。

さて、攻略には60時間ほどを要したのだが、それでもやり切れる面白さがあると思う。テキストが多いのと、ゲームの画面がとにかく暗いのがまず時間がかかる主要因で視認性が悪いのが難点だ。

バトルや成長システムは多様に考えられて面白い。5連鎖を組みなれれば敵が強くて進めないことも無いだろうし、ラスボスまでには全てのスキルが揃うだろう。飽きたらどんどんカルタゴ→逃走すれば良い。

私の場合、序盤はとにかく初級回復魔法とアスピルを取った後はイレギュラーを取りため、呪札50%を取得してからはひたすらカード集め。カラスの技能は最後だった。ホウキの魔法は使えるものが多いので、カード集めが終わったらとにかく投資すべし。意外と道具と受身は使いやすい。

シミュレーションバトルは、キキは物理アタッカーにした方が強い。そして、意外に役立つのがアルベールのナイフである。慣れればゴリゴリ強敵も削ることができる。

アクションバトルは、非常に難しい。これは慣れるしかない。突きが当たらない・・・。もう面倒になったらアイテムごりごり持っていくしかない。

全体的にダンジョンの謎解きのために何度も往復させられることが多く、それがストレスになるのは否めない。

もし、装備や隠しアイテムなどしっかりコンプリートすると本当に80時間くらいかかるかもしれない。宝物庫・・・。種・・・。

長い長いと連呼しているが、それでもこのゲームはやる価値があると思うのである。

それは、本当に人間が手に負えない存在と戦うなら、戦争をするなら、こういう雰囲気になるだろう、こういう人が身の回りに出るだろうということをリアルに感じられる稀有なゲームだからである。そういう疑似体験ができること、それがRPGの原義であろう。

ちょっとだけ残酷シーンも多いし、エロティックな描写もあるので、R15くらいの作品だと思う。しかし、話が難しいので18歳でも厳しいかもしれない。カラスなんてキャラクターがエロいよ完全に。

大人のRPGだ。これは。

ただ、大人は時間が無い。それゆえ、爆発的な人気は難しいだろう。しかし、マニアックな人気が出そうなゲームである。

フリーゲームならではの作品と言っていいだろう。

全然まとまらず、メモみたいになってしまった。

elonaや廻り廻るをプレイしても、これは長すぎてやってられないとサジを投げた私だが、こういう長編をプレイしながら鍛えられてきた。そろそろこの目的も自由な長く長い大作ゲームに挑戦してみようかと思う。

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