清原問題にちょっとだけ触れておく

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だいぶ話題が落ち着いてきたところで、今回の清原騒動について触れてみよう。

もともと清原と言えば野球界のスターだったのだが、選手成績も素晴らしいといえば素晴らしいのだが、一流ではあるものの超一流ではない。

なぜ彼が注目されるのかと言えば、スター性があるからに他ならない。

昔からテレビ受けが良かったり、雑誌にたびたび登場する清原を見ながら、不思議に思った人も多いはずだ。選手成績やチームの貢献度で言えば、西部時代ならずっと秋山幸二の方が優秀であり、そして敵への威圧感を考えればデストラーデの方が怖かった。しかし人気はなぜか清原だった。

それはなぜかと言えば、彼の発言や行動が面白いからである。プロレスラーのようなプロ野球選手であり、それが清原の現役時代には他には無いキャラクターとしてウケていた、そういったことも原因だろう。

そして、ヤクザは有名人と関係があることを喜ぶ。有名人との交遊関係は組織の中での格(階級という意味ではない)をアップさせ、自分の及ぼす影響力の拡大につながる。

プロ選手としては自己管理が甘いというか、社交場に積極的に出て行く清原がターゲットになったのは当然とも言えるし、そしてヤクザも清原が好きになっていった。人をひきつける魅力というのが彼には十分にあった。

しかし、ヤクザというのは手馴れたもので、そうした魅力に惹かれつつもすることはする、そういうものである。だから事あるごとに背後に現れては、いろんな事件に絡み、処理もしてきた。清原と暴力団との関係はずっと昔から何度も写真週刊誌で取り上げられてきたが、そのたびにうやむやになっては消え、頭を丸めたり修行に出たりといった謎のパフォーマンスによってうやむやにされてきた。

そういう姿を盟友としていつも見せられてきた桑田にとっては迷惑でしかないだろう。彼は何をするにしても大真面目でそういった世界に縁が無いのである。

だいぶその勢力が小さくなり、半グレといった経済的暴力集団にそのお株を奪われつつあるヤクザではあるが、清原事件によってまだまだ健在であることを知らしめた。だが、こういった取引を進めているのはもはやヤクザだけではない。上記の半グレはもちろん、それにも至らない個人までが行っているケースも少なくない。

私も近所で、中学生に上がりたての子供がクスリに関わっているという話を聞いて驚いたことがある。先輩とバイク(無免許)で遊び、その時に経験をしたそうだ。そして、その後、割のいいアルバイトとしてそれを自分のさらに後輩(=小学生)にまで売り広げることをしているという。リスクをちゃんとわかる前に漬けてしまおうという、とんでもないことが闇に紛れて行われている。この子はいつも「家には帰りたくない」「家には居場所がない」と言っていた。

有名人の覚醒剤問題は当面消えないだろうが、いつも背景には寂しさがつきまとう。麻薬や覚醒剤は心を奪い、ダメにする薬ではあるのだが、一方で寂しさを感じる力も奪うのであるから、本当に苦しい人には救いにも見えるのだろう。そうなると、やはり寂しい思いをしない、させないということが大事となる。

清原事件をあれこれ言う人々は多いが、本当にこうした人々を包みこもうという愛があるのか、知ったかぶった口調で朝から晩までテレビに出ている評論家たちを見ていると、あまりにも気がかりである。

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